栗の道

 スペインはまさに実りの秋だった。

森の小径は栗と、どんぐりで

埋め尽くされ、それらを踏まずに

歩くのは難しいくらい。

しかも、栗はふくよかで、

ツヤツヤと光った顔がイガの中から

こちらを、のぞいている。

拾ってくれと、いわんばかりに。

ぼくは、とくに大きくて

形のよいものを拾いながら歩く。

そして、アルベルゲに着いてから

キッチンでその栗たちを茹でる。

栗拾いなんて、子どもの時以来だ。

しかし、栗とはこんなに

美味しいものだったのか・・・。