炎の初見


 ぼくの育った家庭は裕福で、
芸術にも造詣の深い母は、
ぼくに、幼い頃からギターレッスンを
与えてくれました。
・・・と、いうのはマッカな嘘で
両親はほとんど音楽に興味を持たず、
中学生から見様見真似で始めたロックギターも
レッスンを受ける機会は
ありませんでした。
レッスンを受け始めたのは、高校を卒業し、
家出同然、北海道から上京し、
新聞配達で学費を捻出しながら
通った音楽学校時代から。

 運良く、20代前半から少しづつ
ギターを教える仕事ができるようになり
ましたが、楽譜の初見能力が
鍛えられたは、実際この頃だったように思います。
リハーサルなし、ぶっつけの現場で
学ぶということ。
生徒さんが、持ってきた楽譜は
クラシックであろうと、ロックであろうと
初見で弾かなくては、ならない!
冷や汗の連続は、後になればよい経験。

 先日、ある生徒さんがレッスン時、
今、大ヒット中の映画”鬼滅の刃”の
主題歌「炎(ほむら)」の
楽譜を見せてくれました。
楽譜はギターソロ用に編曲されたもの。
見せられたからには、
”楽譜を見てしまった⇨
初見で弾かなくてはならない”の
回路がぼくの頭の中で勝手につながる。

 そこでその生徒さんの前で
得意げに爪弾きはじめたが、
音域が広い上に、コロコロ転調したりもして
なかなか難しい。
楽譜の最後までたどり着きはしましたが、
なんとも不甲斐ない演奏・・・。
悔しかったので、レッスン後
「炎」の原譜をゲットし、
自分でもギターソロ用にアレンジし、
撮影してみました。