気持ち悪い転調は、慣れると気持ちよくなるか?

 最近の日本の若いミュージシャンは、
個性的で演奏技術も高く、素晴らしいなあ・・・、
などと関心することも多い。
YOASOBI
なんかもそうで、ぼくは
けっこう彼らの音楽を聴きます。
最近の曲で「ミスター」という曲があるのですが、
この曲のコード進行が、かなりエグい!
初めて聴いたのは、iPhoneとつないだ
Bluetooth
のイヤホンからでしたが、
歌モノなのに、こんなの、やっちゃっていいの?
ってくらい過激な転調に、
イヤホンが壊れてしまったのかと
一瞬、本気で、疑ってしまった。

 ちょこっと、1コーラスのコード分析を。(4/4拍子)
A
メロ、Bメロなどのセクション分けは、
人によって異なると思います。
(転調の観点からのあくまでもぼくの解釈)

 Aメロ(Bメロ前の8小節)は、
シャープ4つのEメジャーですが、
YOASOBI
のほとんどの楽曲に現れる定番コード進行。
主和音のEコードではなく4度のAmaj7から始まる。
赤いコードは、ノンダイアトニック・コード
(もともと、このKeyに存在しないコード)。
序盤から、このノンダイアトニックっぷりです。

A 
Amaj7  F#m/B  |  C#m  E7  |  Amaj7  A#m7(5) D#m7(5D7

Amaj7  F#m/B  |  C#m  E7  |  Amaj7  A#m7(5) D#m7(5F#m  D7(5G#7
(最後の小節は1拍づつ1コード)

 Bメロで突如、フラット3つのCmに転調、
さらにすぐその
2小節後に
シャープ2つのBmに転調!!
ここら辺は、脳みそ溶けそう・・・。
この短い5小節内だけで転調が起こっていて、
さらにまたノンダイアトニックコードが
まあまあ、紛れ込んでいる。

B 
Cm  BAm7(5Amaj7  |  Bm  A  |  F#7  G7 

 Cメロ(サビ)では、
再びフラット3つのE♭(Cmの並行長調)に転調。
小節数も変則的な11小節。
全体的にメジャー系の曲なのかマイナー系の
曲なのか分かりにくいですが、
このサビのKeyE♭と解釈するなら
やはり、YOASOBI4度の和音(A♭)から
始まる定番コード進行といえます。


C 
A  B| Cm  E7  |  A G7  | E   D E

A B |  Cm  E7 AAm7(5)  |  Dm7(5)  D7

A BGm  Cm  A G7

 2コーラス目は、このままKeyE♭で突入し、
展開部分でKeyCに転調。
その後、はじめのKeyEへまた転調し終結。
コロコロ転調したり、小節数が不安定だったり、
ノンダイアトニックコードが多かったり、
主和音がセブンスコードだったりと、
初めて聴くとなかなか
刺激の強い曲です。
正直、気持ち悪い転調の曲だなあ、
と感じていましたが、
何度か聴いているうちに不思議と
心地よくなってしまった・・・。
みなさんは、この曲、
すんなりと聴けますか?