「社会科の授業みた〜い」と
先日、レッスン中に女子高生に言われてしまった・・・。
1492年はスペインで約800年に及ぶ、
キリスト教勢力とイスラム教勢力の争いである
レコンキスタ(国土回復運動)の終結の年。
この争いは、イスラム教国ナスル朝の最後の砦である
グラナダの陥落により、キリスト教勢力の
勝利で幕を閉じた。
また、コロンブスがスペイン王の協力を得て、
大西洋を横断し、新大陸を発見したのも
まさに1492年。
ポルトガル、スペインが先鞭をつけた
植民地獲得の旅は、その後、
ヨーロッパの各国が追従し、
大航海時代と呼ばれるようになった。
グラナダ ”アルハンブラ宮殿”
1492年は世界史にとって大きな
ターニングポイントだ。
ヨーロッパではちょうど、
羅針盤、活版印刷、火薬などの発明から
中世からルネサンス時代への転換期となり、
文化、芸術、音楽の発展においても
非常に重要な1つの岐路となる。
大航海時代以降の植民地支配や
奴隷制度は人類の大きな負の
側面を持ちながら、
しかし、同時にこの人種・文化の混淆は
新しい音楽を生み出す大きな原動力にもなった。
とくにスペイン、キューバ、ブラジルなどの音楽は、
そんな時代背景もあって独自の進化を遂げた。
アメリカのブルースも同様な成立過程になるだろう。
ギターを勉強していると、
スペイン語圏の音楽を弾く機会が多いことに気づく。
本国・スペインのものは、もちろん
スペイン語圏である南米ものの素晴らしい作品に
触れることもしばしば。
(南米はブラジルを除くすべての国の
公用語がスペイン語)
ぼくはルネサンス時代の音楽が好きで、
その後に続くバッハを代表とするバロック時代への
移り変わりにもとても魅力を感じます。
音楽は、悲喜交々、
人類の歴史と密接にかかわりあいながら
発展してきたのです。
と、いうわけで冒頭の女子高生のセリフ、
「社会科の授業みた〜い」。
レッスンでスペイン語圏の作品や、
ルネサンスやバロック期の音楽をやっていると、
ついつい1492年あたりからの音楽史に
さらに世界史を絡めて
熱く語り始めてしまうのが、
どうやらぼくの悪い癖のようだ・・・。
でも、やっぱり演奏に深みを持たせるには、
楽譜を読んだり、練習するだけでなく、
今、勉強している作品の作曲家の生まれた国や、
その時代背景なんかを調べてみることも
大切だと思います。
参考動画「ルネサンスとギター1」
1492年は、どんな年?

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